太平洋は広い。波は静かだ。昨日のチリ地震の影響は全く感じられない。平和を願う。
いつものようにJRと奈半利線の田野駅で降りる。
約100年位前の仕込み蔵が見える。
濱川社長 小原杜氏、蔵の皆さんが出迎えてくれる。うれしい。
現在は高知県第5位の出荷量。
95%が特定名称酒、5%が普通酒。
県内の消費は40%、全国と世界(パリ シンガポールへ輸出)へ60%だそうだ。
小原さんから地理的な特徴をまずレクチャーさていよいよ蔵へ案内してもらう。
美丈夫の大きな特徴はなんといっても飲み易いやさしい味わいを追い求めていることに尽きるのではないだろうか。
すーっと入って ふくらんで すっと切れる
こんな小原杜氏の非常にわかりやすい説明にも表れている。
私なりに解釈すると、
やさしく撫でるように口の中に流れ込み、入るや否やおいしさが口の中いっぱいに拡がる。
おいしいな~と思って飲み込むといま飲み込んだばかりの味わいをすっかり忘れてしまって、また思い出すために飲み返したくなる。
これが特徴なのだろう。いうのは簡単でもそんな美丈夫に造るためには大変なことで大きな特徴がいくつか見える。
一番の特徴は大きな冷蔵設備が4つあるということだと思う。瓶貯蔵するのが大きな特徴。1回濾過、1回火入れで香りをとじ込める。
さらに濾過は6℃の冷蔵設備の中で行われている。
出来上がった清酒の品質を守るため、酵母はもう酒粕と一緒になってもらって再び酒質を変化させるようにさせないためだ。
もっと大きな特徴が超軟水であるということ。これはもって生まれた天性のようなものだ。この天性をそのまま生かしている。
また米の選定にも気を遣う。山田錦 吟の夢 松山三井 しずく媛 五百万石 を使用している。特に松山三井は収穫が遅いので最近の温暖化の影響を受けにくく、高温障害を免れやすいそうだ。
酒蔵のそばでたたずむ料亭 花月で試飲。
酒蔵の近くの食事のできる施設は必要で町の活性化には欠かせないと思う。
ここには料亭花月さん(田野町 TEL38-2708)があって、私は思う存分美丈夫の味わいを確認することが出来た。
『純米酒』、『吟醸酒』ともに飲み易い、やさしい、きれいな味わいをこのお料理とともに楽しみながらうなずきながら味わうことが出来た。素晴らしい訪問であった。
また、美丈夫 うすにごり(純米吟醸酒)はいわゆる瓶内二次発酵で瓶の中で発酵が進み、炭酸ガスがとじ込められる。今日は出来たばかりで6~7月頃にはきめの細かいしっかりとした泡立ちが期待できるということであった。
デザートの文旦と『ゆずしゅっわ!』はとっても相性がよく「優良ふるさと食品中央コンクール」で農林水産省食料産業局長賞を受賞しただけのことはあると感じた。この『ゆずしゅっわ!』は炭酸ガスを圧入して造られている。
いいな~土佐酒は。
蔵のすぐ隣には立派な津波避難タワーが出来ていた。
濱川商店の皆さん 有難うございました。