第七回目 文佳人(株式会社アリサワ)酒造

第七回目 文佳人(株式会社アリサワ)酒造

私はぶしつけにも新年早々勝手なお願いをメールでぶつけた。

『最近の静かとも思えないくらいの清酒の波は確実に土佐酒の蔵に届いていて文佳人の蔵にもきっと大きく押し寄せて来ていているのではないかと思っています。

そこには私のような小売店にはわからない理由がきっとあってそれが何なのかその辺の様子を自分の肌で直接感じたいと思ってメールさせてもらいました。

大変お忙しいのは充分わかっていてお願いしたいのですが貴酒蔵を訪問させていただけないでしょうか・・・・・・』

蔵人たちが忙しく走り回っている時期こそがというのが私の勝手なお願いなのである。

文佳人は快諾してくれた。うれしい。

2015年(平成27年)1月20日高知発10:13南風10号に乗った。

ロングトーンの味わい
管楽器で言えばそれはロングトーンに等しいのではないか。
ロングトーンが出来るまでにはかなりの努力と時間が必要だ。
同じ味わいを通年にわたるだけでなく毎年同等に仕上げるための精進と努力が有澤浩輔氏の言葉から伝わる。
搾った後は出来るだけシンプルに仕上げようとしているが搾るまでのこだわりはかなりのものである。
保管用の冷蔵庫は新しくなった。入り口のドアはタンクが搬入できるほど大きい。なぜか?
辛口純米酒はそのラベルのデザインからして大胆で素敵であり清酒でありながら洗練され研ぎ澄まされた
味わいは和食と共に世界に打って出ても戦えると思う。
土佐酒の静かな波は向こうから押し寄せて来るのではなく
土佐酒の方から送っているのではないか?

静かで波長は小さくても力強く!
ええぜよ土佐酒
たま~るか土佐酒

第七回目 文佳人(株式会社アリサワ)酒造
第七回目 文佳人(株式会社アリサワ)酒造
第七回目 文佳人(株式会社アリサワ)酒造

高知から土佐山田まで南風10号で10分余りの旅。
文佳人は駅前にある。
早速訪問。おはようございます。気持ちがいい。
蔵人は洗米中で造りの真っただ中勢いが伝わってくる。
有澤浩輔氏は穏やかに詳しく順を追って造りを教えてくれる。
洗米は10Kg単位で洗米後10℃の水に130%になるまで浸漬105~6℃の蒸気で表面の水分を取り内面が柔らかく表面は固くなるようにする。麹菌は水分を求めて理想の突き破精状態にするのが目標。この麹米こそが設計通りの文佳人となるためのスッテプである。
搾るまでに手間をかけ搾った後はサーマルタンクでマイナス5~6℃に保って澱を沈め無濾過のまま瓶詰め火入れし新設された冷蔵庫に同じくマイナス5~6℃で瓶詰め保管する。
フレッシュな状態のまま保管され通年フレッシュさを保ったまま出荷される。味わいが酒造年度によって変わらないように一つの銘柄はいつまでも同じ味わいになることを目指している。
したがって麹と酵母の組み合わせも一度これと決めたら変えないのが方針である。
8月頃にはほとんどが売り切れ状態になるため増産したい。
ちょうど次の日に搾るもろみを見せてもらった。いい香りだ。
リズール純米となって出荷される。

たま~るか土佐酒
第七回目 文佳人(株式会社アリサワ)酒造
第七回目 文佳人(株式会社アリサワ)酒造
第七回目 文佳人(株式会社アリサワ)酒造
第七回目 文佳人(株式会社アリサワ)酒造

酒蔵のお隣に美酒百膳 文蔵がある。
ここでできたばかりの文佳人をいただきながらご覧のような素晴らしい土佐料理を堪能できる。
こんなに素晴らしいことはない。さらに酒蔵の主御夫妻と親しくさせていただいて幸せだ。
今年の夏はできたばかりのタンクが入る冷蔵庫で夏の仕込みが期待される。
そんな秘密を聞くことができた。期待したい。
ギュッと冷やした辛口純米酒はシャルドネと対抗できるような気がする。きっとどこかで試してみたい。
今年はお正月から素晴らしい酒蔵訪問となった。
アリサワ様ありがとうございました。
ええぜよ土佐酒
たま~るか土佐酒
第七回目 文佳人(株式会社アリサワ)酒造
第七回目 文佳人(株式会社アリサワ)酒造
第七回目 文佳人(株式会社アリサワ)酒造
第七回目 文佳人(株式会社アリサワ)酒造